京都巨椋池で親子餅つき会

春休みももうすぐ終わる3月31日、京都伏見のひかり餅・中村本舗さんの協力を得て、「巨椋池を食べよう!親子餅つき会」を開催しました。 ■ところで、巨椋池をご存知ですか? 巨椋池は、伏見と宇治と久御山町にまたがってかつて存在した、大きな池です。 諏訪湖とほぼ同サイズというので、湖と呼んでも過言ではない大きさ。京都は風水的に四神相応の地と言われますが、この南の朱雀(水)にあたるのが巨椋池でした。しかし、古くは太閤秀吉による宇治川の付け替えに始まり、その後も周辺の都市化に伴い洪水予防を目的として流域の河川の付け替えなどが行われ、しまいには昭和初期以降の大干拓によって農地へと転換され消滅しました。 伏見という地名の由来には諸説あるのですが、柿本人麻呂(飛鳥時代の歌人)が詠んだ歌からという説もあります。その歌とは (巨椋乃 入江響奈理 射目人乃 伏見何田井尓 鴈渡良之) (おほくらの いりえとよむなり いめひとの ふしみがたゐに かりわたる らし) です。「巨椋池の入り江が雁の鳴き声で騒がしい。どうやら北方、伏見の田園地帯に渡っていくようだ」くらいの意味とのことで(こちらを参考にしました)、昔から巨椋池は豊かな生態系を育み人々の生活を支えていたことが伺えます。 さて前置きがながくなりましたが、「巨椋池を食べよう!親子餅つき会」は、この旧巨椋池の田んぼで栽培されたもち米を、地域のみんなでついて食べようというイベントでした。お餅つきは京都の年末の風物詩でしたが、昨今は自宅でつく人は少なくなりました。特に最近はノロウイルスなど食中毒の予防を厳しく言われるようになり、町内会やPTAやショッピングセンターのイベントとして行われる機会も減ってきています。我々京都の伝統文化を発信する会としては、この日本文化を次世代にもつなげていくためにも、たくさんの方々に餅つきの楽しさを知っていただきたいと思うわけです。 ■さあ餅つき開始!■ 当日は親子連れを中心に、総勢40名近い方が集まりました。お餅が冷めないように、臼をお湯で温めてから使います。中村さんご夫妻の手によって、炊き上がったお米が瞬く間にお餅へと変わっていきます。子どもたちも代わる代わる杵を手に持ち、「よいしょ!よいしょ!」と声を合わせてお餅をつきました。 ついたお餅は食べやすいサイズに丸めて、まずはきな粉にまぶしていただきます! 次にあんこ、次にお醤油、と味付けを変えて次々といただきました。参加者の中にはイベントの度に来ているというリピーターもいて、手慣れた様子でお餅を丸めていました。やはりつきたては、ふわふわでみずみずしくて美味しいです。最高級品種の羽二重(はぶたえ)という品種であることも一因でしょう。 イベント後半にはフィドラーとギター弾きが登場し、生演奏を始めると子どもたちがどんどん集まってきました。子供たちだけでなく、生演奏を聞けて良かった!と親も喜んでいました。 またやりましょう!と声を掛け合ってイベントは好評のうちに終了しました。